エベレストの山頂から5G通話が可能に、エベレスト登山のインターネット環境は?

インターネットが普及した2000年代、エベレスト登山のベースキャンプにもインターネット環境が揃いつつある。

1990年代は登山のためエベレストベースキャンプに到着したら、リアルタイムな連絡手段は衛星電話くらいであった。

しかし近年は違う、エベレストも4Gの回線が届き、2020年6月中国側では山頂まで5Gが到達というニュースが飛び込んできた。

エベレスト登山中の家となるベースキャンプ
【写真】エベレスト登山もインターネットで中継できる時代に

2005年ごろの話

ネパール側のエベレストベースキャンプは標高5300mの雪と氷と岩のみの場所に設置される。

当然、電気など来ているはずもないしインターネットなどあるわけがない場所であった。

2005年著者はエベレストの公募隊に参加したのだが、当時は、衛星回線を通じてのインターネットが可能であったが、回線が細いのと遅いのでメールのやり取りが何とかできるか?という状況であった。

それもインターネットが使えるのはそういぅた装備を準備してきた隊だけである。

私が所属していた隊には一切のインターネット設備はなかったので、登山期間中にインターネットに触れる機会はなかった

当時は一番近いネットができる場所が標高3400mのナムチェバザールであった。

エベレスト街道途中にあるナムチェバザールの村
【写真】エベレスト街道途中にあるナムチェバザールの村

2010年エベレストベースキャンプに3G

2010年にネパール側のベースキャンプまで3Gの回線がカバーされたというニュースが発表された。

標高8,843メートルを誇るエベレスト山地区でのサービス提供にあたり、標高5,200メートルにあるクンブ谷に3G基地局を設置した。世界で最も高い標高で提供される3Gサービスとしており、基地局には太陽発電ベースのものも含まれているという。地元の住民や登山者は3Gサービスを利用して、Webサーフィンや電子メール、動画の送信などが可能になるという。(参照:サイト

これでこれまでは衛星電話という非常に高額な通信手段しかなかったベースキャンプでも格安で通信ができるようになった。

さらに3年後の2013年には4GやLTEがベースキャンプまでカバーしたという報告がされている

According to a press statement by Huawei, mobile operator China Mobile and equipment manufacturer Huawei have set-up the first ever 4G LTE TDD network at the Mount Everest base camp, which is at an altitude of 5,200 metres.(参考:サイト

そして2020年6月に5G

2020年、エベレスト登山は世界中で拡大している新型コロナウィルスの影響で中国側、ネパール側とも登山が中止された

エベレストベースキャンプはエベレスト登山の基地となる
【写真】エベレストベースキャンプはエベレスト登山の基地となる

そしてこのニュース2020年5月8日配信

中国Huawei Technologies(ファーウェイ)と中国China Mobile(中国移動)は2020年4月30日、エベレスト山頂に5G通信環境を構築したと発表した

今回は、SA(stand alone)とNSA(non-stand alone)を組み合わせた形で環境を構築。Huaweiがすべてのソリューションを提供し、ベースキャンプのある標高5300m地点と中継キャンプのある5800m地点、最前線キャンプとなる6500m地点の合計5カ所に5G基地局を設置した。(参考:サイト

続いて2020年5月12日には

高度5300mのエベレストベースキャンプのみならず、5800mおよび6500mの高度の地点にも、複数の基地局やアンテナを設置する大工事で、約8トンもの器材を、毛長牛のヤクを用いて運搬。その結果、ついに8848mの高度の山頂にまで5Gの電波が届き、エベレスト全体で5G通信が自由に使えるようになった

との報告。

そして2020年6月10日

同チームは、ファーウェイ(華為科技)のサブブランド「Honor(栄耀)」の新モデル「Honor X10」を使用し、エベレスト山頂から史上初の5G通話を行った。(参考:サイト

とあり、実際にエベレスト山頂8848mで5Gの通信が可能になったというニュース。

このニュースではファーウエイの最新モデルHonor X10」を利用しているが、5G対応のスマートフォンであれば利用できる可能性がある。

エベレスト登山をライブ配信しながら登れるということになる。

注意しなければならないのはこれは中国側での5Gの話である

エベレスト登山について

エベレストは中国とネパールの間にある山なので、登山は中国側とネパール側からできる。

今回のニュースはあくまでも中国側のベースキャンプの話であり、ネパール側ではない

エベレストの登頂率が高く、人気があるのはネパール側である

ベースキャンでは毎日ゴミもでる
【写真】写真はネパール側のベースキャンプ

中国側はエベレスト山頂まで5Gでカバーしたが、ネパール側は導入があるのだろうか。

今回は以上。
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