インドを自転車で旅行する人にお勧めなのが幹線の道沿いにある「ダバ」と呼ばれる宿泊施設。
ダバとは?
正確にはダバは宿泊施設ではないけれど、宿泊の設備も兼ね備えている。本来はトラックの運転手の休憩や食事のためにあるようだ。
逆に宿泊だけでなく、食事をまかなえるし、汗を流すための場所があり、そこで洗濯もできる。
しかも自転車旅行者にとってはうれしい沿線沿いに点々とあるから、これを利用しない手はない。
まずダバとはどんなものであるか。
休憩所と言っても日本でのドライブインのようにキチンとした建物を想像してはいけない。形状はどちらかというと夏海で見かける海の家のような構造。
屋根が突き出し、壁は背面と横にあるだけで前面は扉などなく開放状態になっている。
【場所、発見方法】
「DHABA」と看板が出ていることは多くないので気が付きにくいが慣れてくるとすぐにダバを見極められるようになる。そのポイントは。
1.店に前に木のベッド、または網のベッドが並んでいる
ダバ特有のベットである。ドミトリールームではシーツやマットレスが敷いてあるのが当然だが。ダバのベットにそれらはない。自分の寝袋や毛布を使って寝る。昼時や飯時はその上にすわり食事をしている人がいる。
2.トラック数台から停車している
ダバはトラック運転手の休憩所という要素が強いので、当然トラックの運転手が立ち寄る。駐車場にはトラックがズラリと並ぶ。
3.海の家のような構造をしている
今までの経験から扉の閉まるダバを見たことはない、この形状の建物はダバである可能性が高い。
ダバは幹線道路沿いに多いが、ローカル道に入ってしまうとないかもしれない。またインドの南部、タミルナードおよびケララ州、またデリー以北でもあまり見かけなかった。
ダバを発見したら、店主に「今日一日寝てもよいか?」と訊ねると、大抵「オッケー」をもらえる。あまりにローカルすぎて英語が通じない場合があるがその場合は
「ソナ(寝る)オッケー?」とか「ソナ ミレガ(得る)?」とヒンディー語を混ぜて聞いてみよう。
ダバの食事
ダバは宿泊は無料であるが、食事に料金がかかる。
この食事てダバの経営がなりたっているので、宿泊するなら出来るだけ食事はダバで取りたい。
観光地に比べてずっと安いので節約派の人でも問題ないだろう。
しかしメニューは限られていることが多い。殆どの場合、チャパティを主に、サブジーと呼ばれる野菜のカレーをつけて食べることになる。
またスープとしてダルと呼ばれるものがある。
チャブル(ライス)を置いてある店も多いので聞いてみるとよい。
ダバによってはチキンや卵が入ったカレーもある。
ヒンディ語が話せないと注文が難しいかもしれないが、回りの人の食べているものを指差したり、鍋の中を見せてもらうのがよいだろう。
ちなみに私は「サブジー」と「ローティ(チャパティ)」とダルの組みあわせばかり食べていた。おおよそ10ルピーから20ルピー以内。チャパティは一枚ごとに加算される。
ダバによっては運転手たちが集まってくるおいしいサブジーを出すところもある。流行っているダバを見つけたら、そこで食事をするのも悪くない。
ダバで水浴び・洗濯
ダバの水浴び方法と洗濯について。
大抵のダバは水浴びをする水をためた巨大なコンクリートの水桶が設定されている。そこから手桶で水をすくい、自分の体にかけて体を洗う。
周りのトラックドライバーがどのように体を洗っているかを見ればすぐに分かる。
裸になるが、腰には布を巻きつける。日本のようにタオルで押さえるだけではない。しっかりと腰に巻きつけられる長さのタオルが必要。
そして体に水を掛けるための手桶が必要。これらはインド国内であれば安価に手に入るので一セットもっているよい。
洗濯はこの水桶の脇で出来る。皆水浴びをしながらついでに衣類も洗っている。もちろん手洗いで、インド方式、打ち付けて汚れを落とす。
ダバには洗った洗濯物を乾かす場所もある。そこに干しておけば日中ならすぐに乾くだろう。しかしあまり高価なものは持っていかれるかも知れないので注意。
ダバで寝る
ダバでは並んでいる木のベットや鉄の枠に紐を網目にして付けたベットがある。主人に尋ねてどこで寝ていいかを聞こう。
寝る際には十分に荷物の管理に気をつけて。ダバは扉がないので誰でも自由に出入りできる。基本的にドライバーしか来ないから安全ではあるはずだが油断はできない。
それと靴の管理も忘れてはならない。私も再三ダバの主人から「靴を気をつけろ」と言われていた。まさかこんなボロイ靴を持っていく人がいるわけないだろうと思っていたが、ある日しっかり取られてしまった。
ボロイ靴だからと油断しないように。
靴がなくなると非常に不便である。
それから、ダバではトイレがあったためしがない。
ダバはたいてい郊外にあるので「トイレは?」と主人に尋ねると「あっち」とか「こっち」と空き地を指示されるのでその辺りがトイレということになる。
最後にダバには女性は殆ど立ち入らないので男だけの世界になっている。
その分男性は気を使わなくて楽なのだが、女性一人の利用はお勧めしない。必ずパートナーと宿泊を勧める。
ダバの利用に慣れてくると、水浴びは出来るし洗濯もでき、その上食事も美味しく、安心して眠れるという自転車旅行者にとって便利な存在になるだろう。
もしインドを旅行することがあれば幹線沿いのダバを探そう。
今回は以上。
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