【旅行術】カウチサーフィンの光と闇。ゲストとして、闇編。

 インターネット時代の旅行スタイルの一つカウチサーフィン。

前回、【旅行術】カウチサーフィンの光と闇。ゲストとして光編。このカウチサーフィンのよい部分、光の部分を考えてみた。

 今回はその闇の部分である。特にゲストとして宿泊する場合。

カウチサーフィンの光と闇
脚光を浴びているカウチサーフィンだが、実際には闇の部分も。

あくまでも自分はゲスト

 どうしても「受け入れてもらう」「お世話になる」という立場上、フラットでないものを感じた。

 宿泊施設などで旅行者に出会うのと、カウチサーフィンでホストに会った時の心境が違う。旅行者同士は肩書きも何もないのであくまでもフラットな立ち位置である。

 しかしカウチサーフィンでゲストになると。それは少なからずホストとゲストという立場になる。

 これがどんなことに影響するのか?

少し遠慮がちになる。恐縮気味になる。

 自分が眠くてもホストが「話がしたい」といえば、邪険にはできない。少々眠気を抑えてもホストに付き合うことになる。ホストが話したがりの人ならば話を聞くだろうし、無口な人だったら自分がトピックを考えたりする。

 比べて旅行者同士は遠慮があまりないので、自分が眠い時に眠れる。別に沈黙も苦にならない。

 またおなかが空いた時も、自分で勝手に食べるのはどうか?

これもホストとの調整が必要になる。自分で勝手に手軽済ませたくても、ホストがレストランに行こうといえば一緒にいくだろうし、カウチサーフィンを利用している以上、別々にというのは少々言いにくい。

 また食事に関しても、自分の苦手とするものも、折角用意してくれたら食べないわけにはいかない。こういったところにストレスを感じるかもしれない。



プライベートの選択はない

 カウチサーフィンの由来にもなっているのは「カウチ」を「サーフィン」する「ソファを渡り歩く」と言ったようなものだ。

カウチサーフィンはカウチをサーフィンの意
【写真】カウチサーフィンはカウチをサーフィンの意
つまり元々プライベートな空間は想定されていない。もちろんホストによっては広い家でゲスト用に一部屋ということもあるが、逆にソファもなく床でということもある。

とにかく共同生活

 一つ屋根の下でプロフィールを見ただけの人と共同生活するわけである。

 しかも自分はゲストとしての立場、これが苦手な人にはかなりつらいかもしれない。

 ホストは人間付き合いが好きな人、気さくな人が多いが、それでも「自分の家」や「宿」のようにくつろげないのは事実である。

レファランス(評価)システムもある。

 ゲストとしてホストにお世話になると、レファランス(評価)を書くのが通例になっている。

 仮にホストの印象が悪くても「悪い」とは中々いえないものである。またホストも同様、例えゲストが好ましくなくても「悪い」と評価はしづらい。

 というわけでリファレンスには「悪い」をつける人が少なく、自動的に「よい」ばかりになっていく。

 これが有料のホテルやレストランの評価になると利用した人が素直に意見が言えるのでよりフラットだといえる。

 カウチサーフィンは暗黙の了解のもと「よい」評価ばかりになっていて、少々の悪評は浮上しない。

街が気に入って「もう少し」が言い出しにくかったりする。

 カウチさーフィンの場合、最初のコンタクトとの時点で何泊させてもらうか決めておくのが普通だが、街が気に入ったり、もう少し滞在したいと思った時にはホストの状況や環境により融通が利かない場合もある。

 あくまでもメンバーの好意によるので、自分の希望とのスリあわせが難かしい。

もう少し滞在したいと思う街がある
【写真】もう少し滞在したいと思う街がある

その他

・数をこなしている人はもはやすれ違うだけになる。

 大都市や有名観光地ではゲストを迎えては送り出す、スーパーホストが存在する。ほぼ毎日ゲストがやって来るという人もいる。こういった人はもはや「ひとりひとりと交流」どころではない。

 結果、ホストしてもらったので「よい」評価をして、それっきりになることも。

 またカウチサーフィンを転々と泊り歩いているゲスト側にもこれは言える。

 カウチサーフィン・移動・カウチサーフィンというパターンを繰り返しているとゲスト慣れしてしまう人もいる。

出会ってきた大都市、観光地に在住のホストは「もうカウチサーフィンには疲れた」ともらしていた。

・どんなにプロフィールをみて合いそうだと思っても合わない人もいる。

 ホストを探す時にプロフィールを眺め、趣味が価値観が合い、いざ会ってみると何だか想像と違う人もいる。

 もちろん出会う人すべてが友達になれるわけではないし、親友がすぐにできるわけではない。

 カウチサーフィンを通じてホストとゲストの立場で知り合い、お互いに何となく合わせるということも多々ある。 というかカウチサーフィンではこの「合わせる」が重要になってくる。

・悪い噂を聞くことも。

 女性のホストばかりを渡り歩く男性、女性ばかりをホストする男性もいる。トルコではカウチサーフィンが男女の出会いの方法として広まったとか。またカウチサーフィンを利用した商売への勧誘や女性のゲストを襲ったホストの話もある。



まとめると

 若者に話題カウチサーフィンも決して光(よい)の部分だけではないということである。カウチサーフィンのシステム上「悪い」評価は浮上しにくいのでここで書いた。

 これらを念頭に起きつつカウチサーフィンを利用してみよう。

 今回は以上
<関連リンク>
【旅行術】カウチサーフィンの光と闇。ゲストとして光編。
【旅行術】カウチサーフィン(Couch Surfing)に向く人。向かない人はどういうタイプか。その1
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