港のベンチでボーっとしていたら顔見知りのリトンが通りかかり「今日は休みだから部屋に来ないか?」と誘われる。

リトンは他の作業員と工事現場内にあるコンテナの中で協同生活しているのは知っていた。

知っていたが、中に入れてもらえるのは初めてだ。
リトンに案内されるまま付いて行く、同じ工事現場内なので徒歩50歩の距離。
よく港にあるタイプのコンテナが二つ縦に詰まれ、それが横に連なり、これが即席の社員寮になっている。
リトンは下のコンテナの壁に取り付けられた鉄のドアから中に入った。
聞き慣れない軽快な音楽が大きな音量で流れていた。
二段ベットが奥の壁に沿ってズラッと並んでいる。外からコンテナ二つが縦に積まれていたように見えたが実は内部で繋がっていて縦長の部屋になっていた。
部屋の半分は二段ベットで占められいる。ドアを入ってすぐ右側にテレビがあってそこから音楽が発せられている。
リトンが言う
「インドのミュージックビデオは面白い」
画面を覗き込むとと確かに言葉は分からないが、鮮やかな色の民族衣装を着た男女が交互に歌い、何かのストーリーを演じているようで、、見ていて飽きない。

日本でも「踊るマハラジャ」という映画がヒットしていたが、それを思い出した。
コンテナの中にはよく話しをするモシーもいたし、他にも顔見知りが数人いた。
皆バングラディシュからの出稼ぎなのだ。
リトンがお皿にひな祭りのあられみたいなものと、ぬかのような物を持って来てくれた。
ちょうどお腹が空いていたので「いただきます」と頭をさげごちそうになる。
ぬかの方は口に入れると甘みが広がる。何だろう、お菓子みたい、今までに出会ったことのない、微妙な味だ。あられの方が普通のスナックの味だ。

バングラディシュの労働者達はこの狭いコンテナの中で共同生活し、出稼ぎに来ているのだ。

日本人であれば他の国まで出稼ぎに行く感覚はない。
なぜ皆がこうも海外に出稼ぎにくるのか不思議だ、同時に彼らの故郷であるバングラディシュとはどういう国なのか興味が沸く。
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ジャカジャカ
バングラディシュ入国
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