ポルトガルの首都リスボン。
手品を見ているカップルが2組いた。
一組は完全に外国人(ここでは私が外国人なのだか)もう一組の女性のほうはアジア人の顔立ちだ、日本人の様に見えなくも無い。
しかし、雰囲気が日本人ぽくない気もする。とにかくその二組のカップルのおかげで人が止まり始めた。手品が終わったところで先ほどのカップルの一組が話しかけてきた、発音のよい英語だ。
「どこから来て、どこに行くのか?」
といつも通りの事を聞かれて、会話が始まり、私の方も「どちらから?」訪ねる。
「カナダ」
との返事が返ってきた。カナダ人、アメリカ人は、ドイツ人の次くらいによく話しかけられる。女性の方は母が日本人らしいが、彼と話している英語を聞くと英語は母国語の様だ。日本人の発音する英語からかけ離れている、彼らと会話が終わり彼らは去っていった。
再び私が手品の始めると、観客にまぎれている彼らの姿が見えた。そしてその回の手品が終わったら、またこちらにやって来て、今度は
「夕食に招待したい」とのお誘いを受けた。断る理由は全くない、手品の道具をすぐに片付け、二つ返事でOKした。
二人とも国籍はカナダで、女性の方はサクラさんと名乗り、親は中国人と日本人だと言い、彼の方はベトナム人とフランス人らしい。二人の両親の国籍がすべて違うというのも珍しいのではなかろうか。
彼らも旅行の最中でカナダからロンドンに入り、フランス、スペイン、ポルトガルと回っているそうだ。期間は特に無く、半年から1年でアフリカ、中東を旅行予定らしい。
私は案内されるままにインド料理屋に入った。
他国でのインド料理は始めてだ。一体どんなだろうか、興味が湧く。店内に入るとインドの音楽がかかってた、噴き出してしまいそうなテンポだ、なんだが冗談ぽく感じる。
そしてインド人というよりはバングラディシュ人っぽいウェイトレスがメニューを持ってきた。
インドではメニューを持ってくる店員など見たこと無かった。いつも腰に布を巻いた威勢のよいおっちゃんが
「何を食うね?」
と聞いてくる印象しかないが、たぶんインドでも高級店ではこうなのだろうが入ったことがないので不明だ。
運ばれてきたメニューをめくり軽く目を通した。タンドリチキンや色々な種類のカレーが並んでいる。しかし一番インパクトがあったのが、チャパティの1ユーロ!インドでは1枚1ルピーだったから、実に60倍の価格である。恐ろしい。
適当にサクラさん達が注文してくれて、一枚1ユーロのチャパティがテーブルにやって来た。
早速つまませてもらったが、味は一緒、むしろインドのチャパティの方が焼き立てで美味しかった気がする。値段は60倍だけど、味は確実に1倍もない。
サクラさんカップルが色々と質問をしてくれて喋りすぎた気がする。楽しい夜だった。
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