【エベレスト登山】登山再開は一転2015年度の登山は中止か。

 2015年4月25日ネパールでマグニチュード7.8の地震が発生。その地震の影響でエベレストベースキャンプでも大規模な雪崩が発生し、エベレスト史上最悪とされる18人が亡くなった。

【写真】アイスフォール上部5段梯子。
【写真】2015年度エベレスト登山の行くえは?

二転三転する情報

 この雪崩によりベースキャンプからキャンプ1へのルートが破壊され登山中止を余儀なくされていたが、30日ネパール政府はエベレスト登山続行の意向を示した。(参考リンク【エベレスト登山】地震後2015年エベレスト登山は再開。

 ところが5月4日にtelegraph社から

Sherpas and climbing firms call off Everest season after Nepal quake(シェルパと登山会社は地震後の登山を取りやめ)

 のニュースが配信された。

内容は

Sherpas in Nepal have refused to rebuild a climbing route on Mount Everest that was destroyed by last week’s earthquake, as mountaineering companies called off their spring expeditions to the world’s highest peak.
(シェルパ達は先週の地震によって破壊されたルートを再建するのを拒否、登山会社は春季エベレストの登山を取りやめた)

 というわけである。

 近年のネパール側のからのエベレスト登山はルートの整備により多くの登山者が登頂できるようになったが、それは山頂までのルートがあってこそなのである。このルートはシェルパが構築してくれている。

 したがってシェルパがルートを整備してくれなければ登頂は必然的に難しくなる。

同記事内にも

Mountaineering teams have until the end of the month to climb the peak, but without the route fixed it is not be possible for them to make their climbs.(登山隊は5月の末まで時間があるが、ルートが修復されてなければ登山は不可能)

とある。

Kapindra Rai of the Sagarmatha Pollution Control Committee, which controls the Icefall Doctors as the Sherpas are called, said there was not much time left in the season before it starts to get warmer and melting ice and monsoon rains bring bad weather. (アイスフォールドクター隊を指示するサガルマータ(エベレストのネパール名)環境委員のカピンドラ・ライ氏によると、温かくなり氷がとけたり、モンスーンの雨による悪天になるまでにそれほどの時間が残されていない)

しかし同紙記事によると

 

The government has not formally cancelled the season and climbing permits are valid until the end of May. (ネパール政府は正式に登山シーズンを取りやめておらず、入山許可証は5月の末まで有効としている。

まとめる

 つまりこういう状態である。ネパールの政府は「登山をしてもよい」と許可をだしているが、現場でルートを工作するシェルパ達は「もはや時間が足りないからルート工作はしない」と言っている状態である。

 政府がいくら許可をだしても、現場のシェルパが動かなければ登山は行われない。

 2015年度の春季登山は事実上は中止となるだろう。

<関連リンク>
【エベレスト登山】地震後2015年エベレスト登山は再開。
【エベレスト登山】2015年のエベレスト登山は中止か?続行か?

【エベレスト登山】簡単解説。2014年の雪崩はなぜすべての登山を中止させたか。

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