世界最高峰であるエベレストの登頂者は年々増加傾向にある。
商業登山隊が珍しくなくなってきた今日、エベレスト登頂も届かぬ夢では無くなってきた。
エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイによりエベレスト初登頂がなされた1953年当時に比べるとノーマルルートとよばれる南東稜のルートは登山方法が確立され毎年多くの登山者が山頂を目指す。
このノーマルルートには春季登山期にはベースキャンプから山頂まで難所はもちろん殆どの場所にフィクス(固定)ロープが設置される。
エドモンド・ヒラリーが最初攻略したといわれる、山頂直下の岩場ヒラリーステップの難所にも無数のロープが張られ、ロープの使用を待つ登山者で渋滞が起こり、別の意味での難所になっているほどだ。
山登りをする人であれば「いつかはエベレスト」と思うかもしれないし、山を登らない人でも「世界一高い場所に行ってみたい」と考える人もいるだろう。
それではエベレストに登頂するためには一体何が必要だろうか。少なくとも4つの要素が考えられる。
1.時間。
登山には少なくともひと月は時間がかかる。
2.資金。
エベレストの登山には他の登山では考えられないほど費用がかかる。
3.身体能力。
高度順応できる体。登山に十分な体力など身体的なもの。
時間や資金がどんなにあっても、高度に順応できない、適応しにくい体の人は登頂が難しくなる
4.登山技術。
高度な登山技術は要求されないが、基本的な雪原歩行やザイルワークが必要になる。
それではそれぞれを詳しく見ていきたい。
今回、その1では時間について。
1.時間
エベレストの登山はなんといっても時間がかかる。通常の登山であれば日帰りから長くても1週間や10日というものだろう。しかしエベレストは少なくともひと月、30日はかかる。
時間がかかる理由はベースキャンプまでのアクセスの悪さ、そして高度順応、天候待ちである。
チベット側であればベースキャンプまで車でアクセスが可能だが、ネパール側はベースキャンプまでは徒歩でしか向えない。
エベレストに登山をするためにはまずエベレストのある地まで足を運ばねばならない。
通常ネパール側からエベレスト登山を目指す人はルクラ2840mと呼ばれるベースキャンプ最寄の飛行場まで飛び、そこからはひたすら徒歩で向かう。ルクラから標高5300mのベースキャンプまでは普通5日~7日を要する。ベースキャンプまでのアクセスだけでで一週間である。
ベースキャンプについてから高所に順応するための時間が10日から20日前後。
エベレスト登山を成功させるための鍵を握るのはこの高度順応といっても過言ではないので、必ず必要な日程である。
そして高度順応をし、いよいよ山頂を目指すといった時にはよい天候を待つ必要がある。これは天候なのでどのくらいの日数がかかるかは運としかいいようがない。
天候に恵まれれば順応休暇後すぐに山頂を目指せるが、逆に恵まれなければひたすら待つことになる。
こういった時間をトータルするとエベレスト登山には少なくとも30日、長ければ60日は必要になる。
エベレスト登山にはまず時間が必要であるといえる。
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