【エベレスト登山】2014年4月雪崩の起こったアイスフォールとは?

2014年4月18日エベレスト登山史上最悪と言われる雪崩事故が起こり、16人が亡くなった。

この事故はベースキャンプすぐ上部、アイスフォールと呼ばれる区域で発生した。

アイスフォールとは標高5300mのベースキャンプから標高5900mのキャンプ1までにある氷河が崩落しているエリアの呼称である。

ベースキャンプからアイスフォールを抜けてキャンプ1へ。
【図解】ベースキャンプからアイスフォールを抜けてキャンプ1へ。(クリックで拡大)

「氷河の崩落」とは記述したが、まずここでの氷河は

「エベレストやその周辺の山に降り積もった膨大な雪が山の斜面の滑り落ちて溜まったところに太陽の熱や雪の重みで凍りついたもの」

それが長い時間をかけ少しずつ押し出されて河のようになっている。

そしてアイスフォールの地帯は高低差が600mあり、押し出された氷河が崩れながらゆっくりと落ちている。その速度はきわめて遅く年に数メートルとか数センチといったところ。

アイスフォールは英語で”ice fall” 氷瀑、氷の滝であるが分かり安い表現するならば「氷河が崩れ落ちている場所」というようになる。

【図解】アイスフォール上部からキャンプ1まで
【図解】アイスフォール上部からキャンプ1まで。
【写真】ベースキャンプからみたアイスフォール。
【写真】ベースキャンプからみたアイスフォール。

今回の雪崩事故が起こったのはこのアイスフォールの上部にあたる。

キャンプ1が約標高5900mなので、ベースキャンプよりもキャンプ1に近い場所になる。

ナショナルジオグラフィックによると、事故はアイスフォール内の氷塊の倒壊ではなく、アイスフォール向かって左上部斜面にあった氷塊が崩れ落ちたもののようだ。

下の写真をイメージとして掲載した。アイスフォール上部。情報からは赤丸で囲った部分に近いところが崩落したようだ。

【写真】アイスフォール左上部の氷塊(イメージ)2005年撮影。
【写真】アイスフォール左上部の氷塊(イメージ)2005年撮影。
【写真】アイスフォール上部。上部に行くにしたがって氷塊が大きくなっているのが分かる。
【写真】アイスフォール上部。上部に行くにしたがって氷塊が大きくなっているのが分かる。

通常アイスフォールは氷解の始まる気温の高くなる前に通過するようにするのだが、今回の事故は現地時間の6時半という早朝に起きた。

まとめ

今回の雪崩事故はエベレスト登山の開始口であるベースキャンプからすぐ上の標高5800m付近で発生。危険地帯と言われるアイスフォールで起こった。

アイスフォール自体、大小様々な氷河が無秩序に崩落していて氷塊が倒壊する危険が高い。事故はアイスフォール内ではなく、エベレスト西壁にへばりついていた氷塊が滑り落ちたことにより起こった。

近年エベレストのルートは確立されノウハウが蓄積されていたが、大自然の驚異は計り知れないものがある。

<関連リンク>
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【エベレスト登山】2014年4月18日エベレスト史上最悪の遭難事故発生。
(外部)ナショナルジオグラフィックページ(英語)
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