図解と写真でエベレストの南東稜ノーマルルートを解説する、第3回
今回は標高5900mキャンプ1から標高6400mキャンプ2まで。
まずは標高5900mキャンプ1から標高6400mキャンプ2までの位置関係は下図のようになっている。
キャンプ1からキャンプ2までは「ウェスタンクーム(西の谷)」と呼ばれる谷に積載した雪面の歩行が主になる。
上図を見てもらうと分かるように、ウエスタンクームはエベレスト、ローツェ、ヌプツェに3方向を囲まれており、それぞれの山に降り積もった雪がこのウェスタンクームに流ち、その雪が堆積し、重みと太陽の熱で氷河になったものがウェスタンクームを満たしている。
この氷河が少しずつ谷を下り、崩落しているのが先記事のアイスフォールである。
ヒマラヤ山脈の形成は今から約5000万年前(参考wiki)と推測されているので、このウェスタンクーム氷河の下部には数千年前の氷河が残存しているかもしれない。
氷河、それからその上に雪が積もった状態が現在のウェスタンクームを形成しており、キャンプ1からキャンプ2までのルートは常に終始雪原歩行になる。
高低差はあまりなく、緩やかな斜面が続く。
アイスフォールほどクレバスの数は多くないものの、大きさで言えばウェスタンクームのクレバスの方が圧倒的に巨大で深い。
ここもSPCCにより工作されているのでクレバスを迂回したり、ルートを見失うことはない。
巨大なクレバスを渡るためにはアルミのはしご1つでは足りず、2、3のはしごを継ぎ足したものまである。
はしごが長くなればなるほど不安定に揺れるので渡る際には注意が必要。
キャンプ1からウエスタンクームを進んでいくと、正面にはローツェ、左手にはエベレストの南西壁が見えてくる。キャンプ2はエベレストの南西壁基部にある。下図参考。
キャンプ2から振り返るとベースキャンプの背後にあったプモリがよく見える。
キャンプ2はエベレストの南西壁の基部にあり、見上げるとすぐ近くに巨大な岩の壁が見えている。
またキャンプ3に向けて登攀するローツェ正面(フェイス)がよく見える。
キャンプ2はキャンプ1と違い、雪上ではなく、ベースキャンプと同様に岩や堆積物の上になる。
キッチンテントも設置してアタックに備えての天候待ちなどの拠点になる。高度順応を終えた登山者はベースキャンプからキャンプ1に滞在することなくキャンプ2に入る。
図解+写真で南東稜ノーマルルートの解説第4回。今回は標高6400mキャンプ2から標高7300mのキャンプ3までを図解と写真で追ってみる。キャンプ2からキャンプ3へはローツェフェイスと呼ばれる、エベレストに隣接するローツェ西面[…]
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