2014年2月ネパール政府によりエベレストの入山料の価格変更が発表され、同時にエベレスト登山者の増加に伴う環境破壊が懸念される。
そこで今回の「ごみ収集の義務化」である。
(ソースは外部リンクエベレスト登山者にごみ収集を義務化へ、ネパール)
「エベレストのごみの一掃を目的とした政府の決定により、登山隊のメンバーはそれぞれ自分が出したごみとは別に、少なくとも8キロのごみを持ち帰らなければならない」(観光省当局者)
これは自分のゴミだけでなく、その他ゴミを8kgを収集しなければならないというもの。
良心やボランティア精神に任せるのではなく、完全に義務化だという。
違反したものには「罰金か保証金の没収」という。(エベレスト登山者はゴミ処理の保証金を預けなければならない、2005年度で1グループ約40万円)
登山者に及ぼす影響は?
2012年のネパール側からのエベレスト登頂者は409人となっているが、同年の登頂率が56%となっているから、少なくとも700人以上がネパール側から山頂を目指したことになる。
700人にはガイド(シェルパ)も含まれるので実際の登山者は300人から350人と推測。
これらの人間が自分のゴミ以外に8kgというと300人×8kg=2.400kg、2.4トンのゴミが毎年エベレストから清掃されていくことになる。
実施された最初の年はゴミは大量にあるだろうから、登山者がゴミの収集も可能だろう。
しかし年々登山者が増えて、ゴミが少なくなればゴミの収集も困難になるかもしれない。それはそれでエベレストの環境がクリーンになったことを意味するのでよいのかもしれないが。
登山者だけ8kg?
前述の通り、エベレストの登山隊にはガイドが多数含まれる。ネパールの政府はガイドを含まない登山者だけにゴミの収集を義務付けるのだろうか。
自分のゴミと他のゴミをどう見分けるのか?
自分のゴミ以外に8kgとあるが、これを別の袋で収集するのだろうか。
ハッキリってゴミを混ぜることも可能だと思う。この辺りは登山者のモラルに任せるのか。
などと疑問は尽きない。
デスゾーンで8kg収集したら死ぬかもしれない
エベレストのゴミ汚染がひどいのは特にサウスコル、標高7900mのキャンプ4.ここは空気が地上の3分の1しかないデスゾーンである。
滞在しているだけで消耗していくこのエリアでゴミを8kgも収集するのは文字通り身を削る。
ゴミを持って下山は体力消耗を導くだろう。ゴミは結局ガイド(シェルパ)に託され、下ろされるような気がする。
ガイド(シェルパ)の負担が大きくなっただけではないだろうか。
まとめ
ゴミの収集義務化が実施されればエベレストのゴミ問題は軽減するかもしれない。
登山者に義務化であるが、結局負担がかかるのは地元のガイド(シェルパ)のような気がする。
この2014年の4月から実施というから、この法令が登山や環境にどのように影響するかを見守りたい。
<関連リンク>
(外部)ナショナルジオグラフィク、エベレスト
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