【エベレスト登山】2014年エベレスト登山はなぜ中止になったのか

2014年4月18日、ネパール側のエベレストでシェルパ16人が死亡する事故が起こった。

この事故によりシェルパ達は今期のエベレスト登山のサポートを中止することを決定。

これにより2014年度春季のネパール側からのエベレスト登山は終了したことになる。

それはどうしてなのか?を今回の記事にて解説。。(これはあくまでもネパール側での話し、エベレストはチベット側からも登れます)

【写真】シェルパがいないとどうなのか?
【写真】シェルパがいないとどうなのか?

そもそもシェルパとは?

シェルパとはチベット語で「東の人」を意味する。もともとチベットの東を意味していたが、現代ではシェルパはネパールの少数民族の呼び名になっている。

山岳部に居住していることが多く、高所に適応しているとしてヨーロッパからの登山隊の補助を担うようになった。これが登山ガイドとしてのシェルパの始まりである。

高所に強いことから登山隊のサポートには欠かせない存在となり、シェルパは本来の民族の呼び名からヒマラヤの登山ガイドとしての名が広まっていった。

現代では登山において「シェルパ」と言うとルート工作、荷揚げなど全般のサポートするガイドのような意味合いになっている。

なぜシェルパがいないと登れないのか?

近年、エベレスト山頂を目指す登山隊はそのほとんどが公募隊と呼ばれるガイドが顧客を山頂まで連れて行く形になっている。

一見ここにシェルパは関与しないように見えるがそれは大間違いである。

公募隊のメンバーを募るのは有名なガイドや登山家、または会社であるが実際に登山の大部分をサポートするのは現地のシェルパ達である。

分かりやすいように一つ例をあげよう。

公募隊の大手と知られるアメリカのIMG隊はIMGがエベレストに登りたいという人を募り公募隊を組織する。

公募隊を導くアメリカ人の登山ガイドが数人、そしてネパール現地で実際に隊員をサポートするのはシェルパの役目になる。

アメリカ人のガイドは隊全体の取りまとめ、登山計画や行動日程など決める。そして実際にルートを工作し、荷物を高所に運ぶのはシェルパ達が行う。

オーケストラで言うと指揮を振るうのはアメリカ人ガイド、実際に楽器を演奏するのはシェルパ達というわけ。

つまり登山会社がいかに公募隊をまとめても実際にルートを作り、荷を運び、テントを張る人がいなければ何もできないことになる。

エベレスト登山では特にシェルパの役割が大きい

近年人気の高いエベレスト登山ではシェルパの役割が確立されている。

今回事故の起こったアイスフォールなど難所のルート工作はシェルパチームに完全に委ねられている。

その他にもルート工作、荷揚げ、テント設営などその役割は明確になっているのでもしシェルパがいなくなると大変なことになる。

【写真】荷物を運ぶシェルパ。
【写真】荷物を運ぶシェルパ。

まとめ

現代のエベレスト登山のほとんどは公募隊である。そしてその公募隊を支えているのがシェルパ。

つまりシェルパが協力してくれないとなると、公募隊は登山どころではなくなってしまうわけである。

エベレスト登山はシェルパの力により成り立っているといっても過言でない。

<関連リンク>
(外部)2014 Mount Everest avalanche(Wiki英語)
【エベレスト登山】2014年ネパール側南東稜からの登山は中止か?
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