「今日で、羽幌に来てから3週間なんですけど・・・」こんな話で今日の朝食は始まった。
そう、確かにここ、北海道は羽幌に来て3週間の月日が流れていた。
着いた当初は「洗濯物と、お風呂だけお借りして・・・」翌日には早々出発する予定だった。
それがついつい「小寺家」の皆様の「誰でもお客様扱いしないという」のが妙にイゴゴチよく気がつけば今日に至る。
この三週間の間に、お母様に「本当にご迷惑でないのですか??」と度々質問していたが、返ってくる答えはいつも同じ「ぜんぜん、気にならないわよ、それより、あなたの旅の足止めをしてることの方が心配よ」と嫌な顔をせずに言ってくれる。
私の方も「実はたてまえで、本音は・・・」なんてことを思ったりするけど、(これはあくまで推測だけど)全然「たてまえ」のようには思えないから不思議だ。
お客様扱いされないというのは事のほか、居心地がよいものである。
この居心地というのソファの具合がよいとかエアコンがちょうどよいとかの五感で感じるものではなく、精神的な居心地の良さである。
お客様扱いは色々と手伝おうをすると「お客様は座っていて」と言われるが、ここでは「あれを頼む」「次はこれ」と色々と役割を押し付けてくれる。そうすると「こんな私でも少しは役に立っているのか」とその存在意義を感じられるのだ。
お客様状態では窮屈で、恐縮してしまい、とてもではないが心の居心地が悪くてこれほど長期に滞在は無理だろう。ここでは自分が手伝うことにより存在が認めてもらえるのがよい。
朝食が終わり、最近では日課になったキララ(犬)の散歩を終えると、また、お手伝いしているホームページの作成に取りかかる。これが最近の日常になってきている。
そういえば、出発以来はいているジーパンの膝がすりむけてきていた。帯広にいる時に裁縫セットでとりあえず穴ふさいでいたが、それが破れさらに巨大な穴が開いてきてしまった。時間が空いた時にまた「縫おう」と、うまい穴のふさぎ方は無いものかと小寺のお母様に聞いてみる。
すると「今度ミシンを使う時に一緒に縫ってあげるよ」と。それが今日で、ミシンを使って上手に穴を縫ってくれた。「うわ~上手いですね~」と私が驚いた声を出すと「主婦ですから~」と小笑みでお母さんは言う。おかげでまたしばらくははけそうだ。
この羽幌の街は夕日が有名らしい。何度か日本海に沈む夕日を見に出かけた。あたり一面がオレンジ色に染まる羽幌の夕日はいつ見ても圧巻だ。