朝、近江さんの「朝食を買ってきましたよ」という一声で目が覚めた。

時計に目をやるとまだ8時前だ。近江さんは近所でお粥、饅頭とアゲパンを買って来てくれたようだ。
起き上がると近江さんがお粥を器に分けてくれ、それをキュウリの塩もみと一緒にご馳走になる。
豪勢ではないが、優しい日本の味だった。
食後、私は最期にとシャワーへ向かう。
「今度シャワーに入れるのはいつになるだろう・・・」
と思いながら熱いお湯を浴びた。
チベットの西へ向かうはずだった近江さんは、ここ何日か色々と行ける方法を模索していたらしいが結局見つからず「今回はあきらめ、ネパールに向かう」と言う。
出発前にラサで有名な「ポタラ宮」の写真を撮りに行こうとすると、近江さんも行きたいというので一緒に向かう。

近江さんは、当初楽しみにしていた西チベットに行けず元気が無いように見える。これで元気が出るか分からないけれど
「私たちと一緒に自転車でネパールに行きませんか?」
と軽い感じで訊ねる。
「荷物が無ければね~」
という返事。調べた道路情報ではラサからネパールはそれほど大変な道ではないようだった。そこで私は
「私がリヤカー引っ張りますよ!」
と申し出た。
「えっ!そうかい?」
と近江さんものってくる。そうなると話は決まった!近江さんも自転車で一緒に行こう!私達はポタラ宮の写真を何枚か取って、早々にゲストハウスに戻った。
それぞれ準備に追われ、3人の準備が終わったのは4時過ぎだった。

さて、いよいよ出発だ!3台並んだ自転車を道行く人が不思議そうな顔で見ていく。風が吹き始め、雲もが出てきた、雨が降っりそうな天気になった。出発なのについてない。
「それでは行きます」
と偉そうに、先陣をきって私がこぎ出す。
カッコつけて漕ぎ出した割には道を間違えて行き止まりになり、来た道を引き返すはめに。
「ぐぐっ、いきなりすみませぬ」
今度はキチンとした道に乗り、ラサの町外れに。分岐があり一方は「ゴルムド」もう一方は目指す「ネパール」。
いよいよ、ママチャリダーズの旅が始まる。
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