前回のエベレストに安く登る方法・プロフェッショナル編では入山料+ルート使用料だけでよいという話をした。
しかしこれはあくまでもプロや熟練者のための話。
単独で必要な荷物を全部自分で用意するとなると、体力はもちろん、計画性も大事になってくる。ホンの一部の人にしか可能性がないだろう。
今回は一般の人がどうしたら安くエベレストに登れるかについて。
エベレスト登山の費用を抑える
通常日本から公募のエベレスト登山を申し込むと600万~1000万円とかなり高額になる。
ところが実際にはこれよりもずっと割安にエベレスト登山は可能だ。
結論から言うと【日本から登山隊に応募しない。ネパールで公募隊に申し込む】である。
日本から応募すると、当然日本か登山会社に申し込むことになる。これは日本のサービスを日本価格で受ける料金。安くするためにはこれを省く。
ネパールに直接乗り込み、現地で登山会社を探す。またはネットでネパールの登山会社を探す。
ネパールに登山会社があるのか?
もちろん、ヒマラヤ麓の国、山に囲まれているので登山会社が沢山ある。
ネパールは日本と比べると物価、食費、滞在費がずいぶんと安いのでネパールでじっくりと登山会社を探すこともできる。ネパールの滞在期間は最大で150日。5ヶ月。
この登山会社を探すためにネパールの往復航空券代を入れても日本で登山隊に申し込むより費用はずいぶんと抑えられるはずだ。
会社の選び方
エベレストの登山を組織している会社は沢山あるが、中でも実績があり、価格が安い会社を探すことからはじめよう。
同じネパールにある会社でもその価格帯にはバラツキがある。
また日本人専門に組織している会社は基本的に高額。
実際に会社を訪れて、過去の登頂率や、実施率を聞いて選ぶのがよい。
会社によっては毎年エベレスト登山を実施しているところもあれば、隊員が集まったら実行というところもある。
もちろん日本からインターネット介しても申し込めるがやはり、登山会社の人と面と向かって話を聞いた方がより安心できる。
ネパールでのエベレスト登山は30,000ドル(約300万円前後)(2005年時点での価格、年々上昇傾向にある)くらいからあるので登山会社にマメに足を運んで会社を決めたい。
会社を決めてしまえば後はすべてその会社のスケジュールに合わせてベースキャンプに向かうだけである。
会社によってはベースキャンプまでの荷物の運び代も入っているので、本人はトレッキング気分でベースキャンプへ向かえる。
エベレストの登山時期は4月から始まる。早ければ前年8月遅くても年末には会社を決定したい。
<参考まで>
ネパールの登山会社一例
アジアントレッキング
ネパールの登山会社メリット、デメリット
まずはメリットから
1.安価である。
おおよそ日本で申し込む価格の半分から3分の2程度の費用でまかなえる。
2.実績のある会社はエベレスト登山隊を毎年編成しているので慣れている。
会社によっては毎年登頂者を出しているので、エベレストの登山計画はキッチリしており信頼できる。
そしてデメリットは
1.英語力が必要
会社選びから始まり、メールの交換、申し込みは英語で話が進められる。
そのため最低限でも日常会話が出来る程度の英語力が必要。
また登山が始まってからも基本は英語でのやり取りになるので英語力が重要になってくる。
隊のメンバーは世界各国から集まってくるので会話も英語になる。英語が話せないとコミュニケーションを取るのが難しい。
2.食事が現地食またはヨーロッパスタイル。
日本の登山隊に所属すれば当然ベースキャンプのテントでも日本の食事が中心に振舞われる。しかしネパール現地の登山隊での食事は現地の食事および参加者の多いヨーロッパスタイルになる。
具体的にはネパールの食事であればダルバーと呼ばれる香辛料を使ったカレーやダルと呼ばれるマメを煮込んだスープ。
ヨーロッパスタイルであれば、パスタやパン、肉のグリルしたもの、ジャガイモなどである。
ベースキャンプの滞在は長いと6週間以上になるので食事に対応できない人は辛いかもしれない。
3.細やかなケアはない。
日本のサービスは細かく、かゆいところに手が届くものが多い。しかしネパールの会社はそこまで細かいサービスは期待できない。
まとめ
ある程度英語が話せ、日本の食事にこだわらない人であればネパールの会社と直接やり取りして登山隊に所属できる。
これでエベレスト登山を日本で申し込むよりも大分安価に済ませられる。
しかし日本のサービスを期待してはいけない。実績のある会社は毎年登山隊を編成し、経験のあるシェルパ(登山ガイド)を雇うので、その点は心強い。
旅行に例えるならば日本発着の日本の会社パックツアー旅行に申し込むか、現地人が行っている現地発着タイプのツアーに申し込むかの違い。
エベレスト登山においても「日本発、日本の会社」「現地発、現地の会社」の選択ができるということである。
<関連リンク>
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