登山においては下山には危険がつきまとう。
エベレストも例外ではない。
特に最終キャンプから山頂までの間すべてがデスゾーン内にあるエベレストは気を抜けない。
事実、エベレスト登山では下山中の事故も多い。
エベレストの大量遭難として有名な1996年の公募隊の事故も、登頂後に起こっている。
何故下山が危険なのか?を今回考えてみた。
下山が危険な理由
登頂に向けて体力を消費してしまっている
エベレストの山頂アタックはキャンプ4から夜通しで行われる。
山頂に着いた時点でかなりの体力を消耗している、下りとはいえ8000m以上での行動は体力を消費する。
当然、体力的に元気な時よりも、疲れた時に事故は起こりやすい。
精神的な疲労
また「登頂」した場合は、それまでの「登頂への意欲」がなくなるので脱力感に見舞われる。
それまで張り詰めていた「緊張感」が登頂に消失。
こういった時にミスが起こりやすい。
天候の変化
エベレストの上空は午後から風が出やすい。つまり登頂し、下山の時に天候が荒れことがある。
いくらルートが工作されているとはいえ、風が吹き荒れたり、吹雪いたりしたら下山が困難になる。
デスゾーン
高度順化をして、酸素を吸引しているといってもキャンプ4より上は「デスゾーン」と言われる死の地帯。
人間はここに留まっているだけで急速に消耗していく。
デスゾーンに長くいればそれだけ死に近づく。
1996年の事故
1996年にエベレストでは8名遭難者がでた事故が起こった。
これは疲労困憊した登山者たちを、急激な天候の変化が襲った、しかも山頂に近い標高8000mのデスゾーンでの出来事。
これらの要因が重なると人間の生命を維持するのが困難なところがエベレストの超高所が危険をされる所以である。
下の書籍「空へ」は1996年の公募登山隊に所属していたジョン・クロカワー氏の事故について書かれた著書。
まとめ
エベレスト登山では下山時の事故も多い。
登頂が困難なだけに、達成した後の反動も多きい。
夜通しの行動からくる疲労、登頂後の脱力感、天候など下山時の不安要因も多々ある。
安全なベースキャンプにつくまでは気を抜かないようにしたい。
<関連リンク>
【エベレスト登山】デスゾーンとは?
【エベレスト登山】図解+写真でエベレスト南東稜登山。その1
【エベレスト登山】「エベレスト3D」として映画化された1996年の遭難事故。
防災、キャンプでも使えるポータブル電源【PowerArQ】
ツイッターで更新、最新情報をつぶやいています。
@bikeandmagicさんをフォロー