野宿をするのにオリーブ畑ほどお勧めの場所はないと思う。
橋の下から街路樹の下、畑のあぜ道、お墓、工事現場、雑木林、氷雪中、高所と実に様々な屋外で寝てきたがオリーブ畑はその中でも最も寝やすい。
どうしてオリーブ畑が寝やすいのかを考えてみるというのが今日の日記である。・地面が平ら
布団やベットで寝ていると考えもしないことなのだけど、野宿をするためには一畳程の平らな地面が必要になってくる。実際は寝てみると分かるが、地面の形状は変化に富んでいて、この平らな土地というのもありそうでなかったりする。
ところがオリーブ畑は殆どが平らで簡単に寝転べる。
・乾燥している。
同じ畑でもみかんやレモンの木畑は湿度が高い。どうでもよいじゃないかと思うかもしれないが、湿度は色々と厄介なのだ。
湿度が高いと必然的に虫が多くなる。野宿の天敵の蚊はもちろん、葉につくカタツムリやナメクジ、その他小昆虫が沢山生活しているのだ。
その点オリーブ畑は乾燥しているので奇跡的に野宿大敵の蚊も少なく、小昆虫も少ない。やたらに乾燥しているので葉の下にゲジゲジやダンゴ虫が生息していることも少ない。野宿者には嬉しい虫フリー(虫がいない)な環境を提供してくれる。
畑が乾燥しているので土もサラリとしてジメジメ感は無く、またテントの内壁が湿度で湿ったりすることもなく快適。
また夏の暑い日ざしをオリーブの木々が遮ってくれるのでこれもよい。オリーブの木はある一定の間隔で植えられているので広々としている。湿度の低い地域では木陰はそよ風が吹いて心地よい。オリーブの木の下で気持ちのよいそよ風に吹かれていると「もうここに住んでしまおうか」と思うほど。
・管理されていない
これも大きなポイントである。野宿をする者であっても塀や柵を乗り越えてということはしない。殆どのオリーブ畑は囲いなどなく、そのまま放置されているのでその点も楽である。
などとツラツラとオリーブ畑で寝るよい点を書いてみたが「おおっ、そうか今度寝てみよう!」と人はいないと思う。残念。稀に奇特な人で海外で野宿をしてみたいという人にはまずオリーブ畑を勧める。(勧めますが責任は負いかねますので自責でお願いします。)
結局何が言いたかったかというと現在走行中のイタリア南部のプーリア州はオリーブ畑が延々と続いていて景色は少々退屈だけど寝る場所には全くことをかかないということです。
さて今日もオーリブ畑で寝るとしよう。