エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイが1953年に初登頂を果たしてから2013年で60年が経過した。
この60年の間のエベレスト登山の変化は大きい。
1950年代では精鋭登山家達にしか踏めなかった山頂も、現代では大衆化が進み、天候のよい日であれば1日100人以上が到達できる場所になっている。
これはエベレスト登山の難易度が格段に下がっていることを意味している。今までは本当のプロフェッショナルしか辿り着けなかった場所にアマチュアでも行けるようになった。
なぜそんなことになったのか?
公募隊の増加・普及
公募隊とは、登山ガイドや登山会社がエベレストに登りたい人を募集し、その集まった人で構成される隊のことである。
このように公募することにより、一昔前は登山家により組織されていた登山隊とは全く性質の異なるチームになる。
・登山隊
登山を生業とする人や、登山が好きである人によって構成される、熟練者の集団。当然登山技術や山に対しての知識も豊富。
・公募隊
広く一般からエベレストに登りたい人を募る。公募。登山経験、技術に一定の水準は儲けるものの、費用がが支払えれば参加できる。
という具合に以前の登山隊に比べて公募隊は一般の人に開かれたエベレスト登山の入り口になっている。
公募隊への参加条件
エベレスト公募隊に参加するための条件は、登山経験と費用の捻出であるといえる。
・登山経験は
もちろん豊富なほどよい。しかしエベレスト登山に求められる技術的なものはそれほど難しくない。日本国内の山はもちろん、国外、できれば6000m以上の山への登山経験があるとよいといわれている。
この参加資格は公募隊によって異なってくる。
・参加費は
これも各公募隊によって大きく異なる。大よそ300万から1000万円の間である。エベレストの公募隊への参加はこの高額の費用を捻出できるかどうかが大きい。
公募隊に参加できるからといって登頂が保障されるわけではないので、この参加費はあくまでもエベレスト登山に参加できる参加料みたいなもの、しかしこれが支払えないと隊に参加すらできない。
公募隊のメリットとデメリット
・メリット
それまでは登山家や登山隊にしか機会がなかったエベレスト登山、個人に対して道が開かれたというメリットは大きい。
組織するガイドや隊が入山料、書類手続きから荷揚げ、ベースキャンプ、ルート工作、高所キャンプ設営などを行ってくれるので登山者はひたすら登ることに集中できる。
・デメリット
登山技術が一定でない隊になる。歩行度差をはじめ様々な障害が起こりえる。体力不足が招くアクシデントが起こりやすい。
隊に所属するために大金や、長時間を費やすために山頂に対する執着が強くなる。このための事故も多い。1996年に起こった大量遭難事故はこれらのことが起因している。
最後に
公募隊の普及により、多くの人にエベレスト登山の道が開かれた。
しかし忘れてはならないのは公募隊への参加=(イコール)登頂を保障するものでないこと、公募隊ならではの危険が潜んでいることを忘れてはならない。
<関連リンク>
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【エベレスト登山】エベレスト登山の登頂率と死亡率。
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