インドの「ダバ」と呼ばれるトラックドライバーが眠るドライブインみたいな ところがある。軒があり網と木でできた簡単なベットが置いてあり、
眠るだけだったらなんの問題も、料金もなしに眠れることができる。
いつも寝ようとするとダバの主人が
「靴に気をつけろ」と言う。
ダバは誰でも出入りが自由なので靴を持ってしまう人がいるというのだ。
荷物にはモチロン気をつけなければならないけど、特に靴に注意しろ
と言われていた。
しかし、私の履いているボロボロの靴など「一体誰がもっていくのか?」
と気にもしていなかった。
今日もいつものように網と木でできた簡易ベットの上に横になる、
疲れていたので靴を脱ぎそのまま寝てしまった。
そして夜が明ける。
起き上がり靴を履こうとすると「あれ?」
靴が見当たらない。最初はベットの下にでももぐりこんだのかと
覗き込んでさがす。
ない。
「まさか。。。」
あせって辺りをはだしで探し回るが靴はどこにも見当たらない。
ダバの主人に聞いても「知らないよ」と言う。
そして私の靴があったところにボロボロの靴が一足おいてある。
いたるところに修理のあとがある、ぼろい靴。
「この靴の持ち主は??」と周りの人に尋ねるが皆首を振り
知らないと言う。
これから導き出される答えは一つ
このボロボロの靴の主が私の靴を履いて行ってしまったのだ。
確かに今残されている靴に比べれば私の靴の方が良い気がする。
残された靴を履いていく気にならないので、持っていたサンダルを履いていくことにする。
なんてこった。