手漕ぎ大西洋横断から早4カ月、記憶が薄れないうちにまとめを記録しています。今回はその3となります。
前回は手漕ぎ海洋横断の経験者に会い、情報を集めていくうちに海洋横断はイギリスが要というところまででした。
船体もイギリス製造か
色々と調べていくうちに手漕ぎで横断した人が多いのはイギリスで、手漕ぎボートの船体を販売しているのもイギリス、そして中古の船体もイギリスということが分かってきました。
それから船体の価格は新品であれば1000万以上、中古でも500万円はします。こちらは現在も旅行中、なかなか手が出せる金額ではありません。しかもイギリスなのでポンドです。イギリスのEU離脱で少々ポンドが安くなりましたが、依然1ポンド150円後半です。
どうするか?と考えていた時に一つのアイディアが浮かびます。そういえば以前からチャレンジしてみたかった番組「ゴット・タレント」の本場はイギリス、これはもしかしてこのタイミングでチャレンジしたらよいのではと思い始めます。
ブリテン・ゴット・タレント
前の日記でも少し触れていますが、イタリアの路上でスカウトされ出演した「ゴット・タレント」という番組。実はイギリスのサイモン・コーウェルさんが企画した番組でこれもイギリスが発祥とされています。そしてこの番組の優勝賞金はイギリスでポンド。
「これはもしかしてイギリスのゴットタレントに行け」というタイミングかと勝手に思い込みます。それから参加者応募のページを見るとなんと応募中ではありませんか、タイミングがよい!というわけで申し込んでみました。イギリスのゴット・タレントは応募も相当に多いと聞いていたので参加できるか分かりませんが、応募は完了しました。
中古の船体を選ぶ
ブリテン・ゴット・タレントの申し込みをしながら手漕ぎボートの船体を探し、それらのオーナーに連絡を取ってみます。リストに掲載されていて、価格の安い中古を狙います。
価格が安い順にいくつかメールを出したのですが、返信はなかなかありません。しかし返信をしてくれたオーナーもおります。そういう人と船体の状態などを問い合わせてみたりします。
中でもブルガリアで会ったステファンさんと同じデザインの手漕ぎ船で中古が売りに出されていたので「この船がよいな」と気に入ります。オーナーからの返信もありました。しかしこの時点では全く購入できる可能性はありません。
ゴット・タレントの話が進む
ところでイギリスのゴット・タレントは勢いで応募したにも関わらず返信がありません。やはり応募数が多いから難しいのかと思っていたところおよそひと月後に返信があり、とりあえずビデオで審査するからみたいな展開に。
返信がしばらくないのであきらめモードのところでメッセージが届いたのでかなり嬉しかったのを覚えています。
その後話がトントンと進み、なんと夢に見ていたブリテン・ゴット・タレントのオーディションに参加できることになりました。コロナ禍だったのでPCR検査などが面倒でしたが、イギリスに向かいます。
まさかのゴールデンブザー
このブリテンズ・ゴット・タレントでまさかのゴールデンブザーを頂くわけですが、この動画を見ていただくと分かりますが、パフォーマンス開始前の審査員とのやりとりで
「優勝賞金は何に使うの?」
「大西洋を横断するための船を購入したい」
と言っているのが分かります。日本語版に訳していただいた動画の1分21秒当たりです。
「大西洋を手漕ぎで横断したい」と言っても審査員はきっと本気にしていなかったのかもしれません、本人はいたって本気でした。
ゴールデンブザーは別名「運命を変えるボタン」とも呼ばれることがあるそうですが、ここから本当に色々と変化が起こります。
日本のマスメディアに登場
それまでは自転車でヨーロッパをウロウロとしている大道芸人だったのですが、このゴールデンブザーの放映が終わると、色々な変化が起こります。
大きな変化が日本のマスメディアからの依頼でした。それまではいくつかの番組に取り上げてもらったことはあったのですが、ゴールデンブザーの後はテレビをはじめ、新聞、ラジオと様々な媒体から出演の依頼を頂きました。
日本から離れたイギリスの番組の話でそんな話題にならないだろうと思っていましたし、自分は20年も日本に戻っていないので大した話題にならないだろうと思っていたのですが予想に反して反響がありました。
これが手漕ぎボートスポンサー様に結びつきます。
スポンサー様が決定
手漕ぎ大西洋横断の要となる船体。船体の購入が最大の難関だったのですが、日本のメディアに取り上げられたことにより縁あって、日本のIT企業であるREAZONホールディングス様に船体のスポンサーになっていただけることになりました。
船体購入の単独スポンサーになっていたたので手漕ぎボートの船体には大きくREAZONの社名、また船体サイドにはレアゾン・ホールディングスの関連「MENU」や「ドラゴン・エッグ」等のロゴが記載されています。
同時にテーマが「BREAK YOUR LIMITS(限界を突破しろ)」となります。
というわけでかねてから連絡を取り合っていた中古の船体のオーナーのところに船体を取りに向かいます。
唐突に本日もオチもなく終了です。
<関連リンク>
手漕ぎ大西洋横断 大まかなストーリその2
手漕ぎ大西洋横断 大まかなストーリその1
手漕ぎ大西洋横断トータルで106日間でした、概要
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