【エベレスト登山】ゼロからはじめるエベレスト登頂へのアプローチ方法。その1。

 近年エベレスト登山は大衆化の時代に入った。

 一昔前の国を挙げた登山隊、先鋭的な冒険家だけが目指す山ではなくなっている。

 2000年に入ってから最年少13歳、最年長記録80歳が樹立され、アマチュア登山家はもとより10代の若者、全盲の人や義足の人までも登頂している。この近年のシーズンには1000人近くの登山者が山頂を目指し、そしてその半数が登頂を果たしている。
 

自然の力は偉大、例え人事を尽くしても
【写真】大衆化が進むエベレスト

年々増える登山者

 2013年のシーズンには実に600人以上がその山頂を踏んだ。

 1953年の初登頂イギリス隊がエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイの時代に比べると(単純に比較できないが)数値的には少なくとも300倍になっている。

 これは50年前では考えられなかったほど一般化が進んでいることを示している。

 その要因は商業・公募登山の増加にある。

 1990年代から「エベレストに登りたい」という人を募って、一つのグループとしてガイドが山頂までサポートするという公募登山が主流になった。

キャンプ2からのエベレスト
近年エベレスト登山は難しいものではなくなっている。

公募登山者=プロフェッショナルでない登山者が増加したことにより、エベレストのルートは毎年確実に確保され、山頂を目指すものはとにかく工作されたルートをひたすらにたどっていけばよい。

 途中のテント設営から、荷物の運搬は現地の登山ガイド(シェルパ)が担ってくれる。

もはや重いザックを背負う必要もなくなっている。

 公募隊のガイドはエベレストの登山を繰り返すことにより、いかにしたら登頂率が高くなるかを学び、そして更に多くの人が山頂を踏めるようになる。

 もはやエベレスト登山に、登山家や冒険家の肩書きは要らない、会社員や自営業、学生、定年を迎えたあなたにも登頂の門は開かれている。(注:道は開かれているが必ずしも登頂できるとは限らない)

 「世界一」と冠した山ならば、「その山頂からの景色はどんなものだろうか?」「世界一高い場所へ行ってみたい」と考える人も多い。

STEP1

 登山家でない人がエベレストの山頂を目指す第一歩は「公募隊」を組織している会社を探すことである。

インターネットがない時代であれば、登山会社に電話をして資料を請求していただのだろうが、インターネットがある現代では簡単に公募隊が探せる。

 検索エンジンで「エベレスト」「公募」のキーワードで検索してみよう。すぐに一ページ目にいくつかの会社が表示されるはずだ。(国外の公募隊を探すのであれば「Everest」「Guided」「expedition」で検索)
 

google検索で「Everest Expedition」を検索
【写真】google検索で「Everest Expedition」を検索

 見つけた会社の登山時期、募集要項をよく見よう、大抵エベレストの登山期は4月、5月になっているはず。

 それから登山期間は短くて6週間から長くて10週間くらいであるだろう。

 そして一番目のエベレストの難所である「費用の壁」

 相場として日本の登山会社でエベレスト登山に応募するとおよそ600万円から1000万円はかかる。(費用を抑える方法としてネパールの会社に申し込むというのもある、【エベレスト登山】南東稜 エベレストを安く登る方法・一般編。を参考に)

また会社に勤めている人にとっては6~10週という登山期の長さに驚くかもしれない。

 資金と時間とにかくエベレストを目指すのにここが最初の難関になる。

 逆にこの部分が越えられればエベレストの第一難関突破ということになる。

 公募隊の参加条件は会社によって様々であるが、参加の条件として「ある程度の登山経験」を問われる可能性がある。それは登山歴であったり、登ったことのある高峰の経験など。

 もし参加したいと思う公募隊の条件を満たしていない場合は、まずはその条件を満たすための登山を開始しなければならない。

 これが第二の関門になる。エベレストの登山ガイドの人はエベレストに登るためにどのくらいの体力、登山技術が必要かを熟知しているので、エベレストに登るための条件を詳しく説明してくれるはず

 最低でも雪原歩行や基本的なザイルワークが必要であるし、それを身につけなければならないだろう。

 またここで重要なのが「自分が高所に順応できる体質かどうかを知っていること」

 エベレストの登山は高度の順応に長い時間をかける、しかし稀に全く高度に順応できない人がいる。

 全くアルコールが飲めない人がいるとの同様で、それは体質的なものであり、訓練したから大丈夫というものではない。

 これを見極めないと公募隊に参加しても、全くの無駄になってしまうので要注意。

 自分が公募隊の条件を満たしている、または満たせそうであるならば、早速公募隊参加の詳細をたずねてみよう。詳細な登山期間や、費用の明細が分かるはずだ。

 

まとめ

エベレスト登山を考えてからの流れをまとめると

エベレスト登山には高額な資金が必要であることを知る

同時に少なくとも4週間から10週間のまとまった時間が必要。

・公募隊の選択をする

登山予定年から半年前以上

・公募隊の参加条件、課題を知る

・登山の参加条件を満たす。

・自分が高所に順応できるかを知る。

・公募隊を決める。

 自分が納得いくものであるならば申し込めばよい。これでエベレスト登山への第一歩を踏み出したことになる。

 次記事【エベレスト登山】ゼロからはじめるエベレスト登頂へのアプローチ方法。その2。に続く。

 <関連リンク>
【エベレスト登山】南東稜側からの難易度は?
2020年エベレストに登るには一体いくらかかるの?
【エベレスト登山】南東稜側からの単独登山を考える。

防災、キャンプでも使えるポータブル電源【PowerArQ】

ツイッターで更新、最新情報をつぶやいています。