前回の2020年エベレスト登山費用を詳細にみる、公募隊に含まれる料金に引き続き、今回は公募隊に含まれない費用の詳細。
近代のエベレスト登山は
近年エベレスト登山は「エベレストに登りたい」という人を集い、一つの隊として登山する公募隊登山が主流になっている。
公募隊は一定の金額を支払うとエベレスト山頂まで登山をガイド、サポートするというシステムになっている。
従ってエベレストに登りたいと考えた時、必要は費用は大きく2種類になる。
1.公募隊参加費→公募隊に参加する費用
2.それ以外→自分で準備する公募隊参加費以外の費用
前回はエベレスト登山においてかかる費用の公募隊に含まれるものの詳細を見たが、今回は公募隊に支払う料金とは別に、自ら準備する必要のあるものについてである。
項目概要は以下
2.公募隊費用に含まれないもの
・ネパールまでの渡航費
・カトマンドゥ滞在費
・ベースキャンプまでのトレッキング費用
・個人の装備
・保険
・登頂の際のガイドに対するボーナス
・通信費
である。
順番に解説していく。
ネパールまでの渡航費用
世界最高峰のエベレストはネパールと中国にまたがっている。
つまりエベレストに登るにはネパールか中国に行かねばならないということ。
今回の費用についてはネパール側からの登山を想定しているのでネパールまで行く必要がある。
登山会社によってはこのネパールまでの渡航費を含んでいることもあるが、現地集合の場合もあるので別料金とした。
2020年3月成田からネパールへの直行便が運行されたが、直後に新型コロナウィルス禍があり、運行再開は現在定かでない。
スカイスキャナーでネパール直行便を検索したところおよそ9万円から。
さらにエベレスト登山の場合は装備などで通常の旅行よりも多くの荷物になり、荷物追加料金とが必要になる。
渡航費往復+荷物追加料金でおよそ10万円~。
カトマンドゥ滞在費
飛行機はネパールの首都カトマンドゥ空港に到着する。
このカトマンドゥでの滞在費も忘れてはならない。
今回は2021年の4月5~7日までの2泊3日のカトマンドゥの宿をブッキングコムで検索したところ料金は4800円~であった。
カトマンドゥでの滞在費+食費で概算1日5000円~を用意しなければならない。
公募隊によってはネパールまでの渡航費+滞在費も込みになっている場合もあるので要確認。
ベースキャンプまでのトレッキング費用
ネパールの首都カトマンドゥからエベレストベースキャンプまで道がありバスで行けるわけでない。
標高5300mのエベレストベースキャンプに行くにはルクラと呼ばれる標高2800mの空港までカトマンドゥから飛行機で飛び、更にそこからトレッキングで山道を歩きおよそ7日~10日かかる。
ここでかかる費用はカトマンドゥからルクラ飛行機往復+荷物代+トレッキング中食事+宿泊費
などがおよそ10万円~
著者の経験では、カトマンドゥからルクラの飛行機だけ購入してトレッキングは自力で向かうとかなり出費を抑えらる。
個人の装備
公募隊に払う費用以外で各人が準備するもので一番ウェイトを占めるのがこの個人の装備といってもよい。
エベレストなど標高8000mを超える超高所と呼ばれる山の登山をするには特殊な装備が必要となり、それらはもれなく高額である。
高所用の登山ブーツ、マイナス40度に耐えうる寝袋、保温機能に優れたジャケットなど。
アマゾンでも販売しているものを検索してみたが、いずれも一品10万円以上している。
高所登山ブーツ
普段登山をしている人でも高所登山用のインナー、ジャケット、グローブなどをエベレスト用に新たに揃えるとかなりの金額がかかる。
概算で40万円~
費用を抑えるために、カトマンドゥの中古道具屋で中古を揃えるという方法もあるがあるが、整備不全などもあるので自己責任で。
保険
エベレスト登山でも保険に入ることが可能である。
保険の種類には
・登山中止によるキャンセル料支払い
・登山中の医療 500ドル~
・ヘリコプターの利用 5000ドル~
などがあるが、保険の対象、料金は幅が広い。
ここでは500ドル~としておく。
シェルパーに対するボーナス
これは慣習としてある。
恐らくシェルパ族をガイドとして雇用し始めたのがヨーロッパの国々だったので、チップの習慣が引き継がれている。
自分が所属した公募隊でサポートしてくれるシェルパ、ガイドに対するボーナスと呼ばれる費用。
ある程度の高度に達したら、シェルパにボーナスを支払うというのがある。
登頂したらおよそ1000ドルと聞いた。
またキッチンで料理をしているシェルパなどにもチップという習慣があった。
概算で1000ドル~
通信費
2000年以前はエベレスト登山のベースキャンプに来るとリアルタイムで通信は衛星電話のみであったが、現代は違う。
インターネットが発展した現代、エベレストベースキャンプと言えど携帯電話の電波が届く範囲になりつつある。
実際2020年6月には中国側では5Gのアンテナがベースキャンプ付近標高6500mに設置され、 5Gの通信が可能になったとの報告があった。
こういった具合にエベレスト近郊の通信状態も改善されつつあるので、個人が低予算でエベレストからライブ放送できる日も近い。
こういった通信にかかる費用は個人負担となるだろう。
為替にも影響される
これは費用でないが、日本人がエベレスト登山を目指す場合、ドル為替にも大きな影響を受ける。
1ドルが120円であれば、10000ドルは120万円になり、1ドルが100円であれば100万円となり、20万円の差が生まれる。
ネパールの通貨はネパール・ルピーである。
カトマンドゥ滞在からベースキャンプまでは支払いはドルかネパールルピーなので両替のタイミングによっては費用の高低が変わることを念頭に。
参加費以外のトータルは
以上、公募隊に支払う料金以外にかかる費用を見てきた。
中でも装備にかかる費用が大きく、その他細々と料金がかかるのがエベレスト登山である。
ざっくりであるが、公募隊に参加する費用プラス 50万以上となることは間違いなさそうだ。
前回の公募隊費用にその他の費用50万~を加えた表は下になる。
ネパール側からの料金 | 中国側からの料金 | |
ネパールの公募隊 | 468万円~ | 482万円~ |
外国の公募隊 | 776万円~ | 740万円~ |
となる。
空くまでの想定内の試算なので、正確な数値が知りたい場合は各公募隊を応募している会社に尋ねる必要がある。
公募隊の会社の探し方は「エベレスト 公募隊募集」や英語であれば「Everest Expedtion」で検索してみるとエベレスト公募隊を編成している会社が見つかる。
2記事にわたり、エベレスト登山にかかる費用について書いてみたが、エベレスト登山は他の山に比べて費用が異常に高いことが分かる。
今回は以上。
<関連リンク>
2020年エベレスト登山費用を詳細にみる、公募隊に含まれる料金
2020年エベレストに登るには一体いくらかかるの?
【エベレスト登山】エベレスト登山に必要なもの4つ。その2、資金。
防災、キャンプでも使えるポータブル電源【PowerArQ】
ツイッターで更新、最新情報をつぶやいています。
@bikeandmagicさんをフォロー