「桃源郷」と呼ばれるフンザを目指してカラコルムハイウェイに入った。
ハイゥエイと言っても高速道路でなはく山岳部を走るただの道。しかしこの道が恐怖の道なのだ。恐怖度で言うとチベットよりも格段に怖い。
何が怖いかって、土砂崩れ、落石である。
ネパールやチベットでも土砂崩れは起こっていたが時々だ。
このカラコルムハイウェイは土砂崩れが頻発する。
私が走り始めた3日目にも大きな土砂崩れが起こり、前面通行止め。こんなことがよくあるらしい。
たまたまその場所を通過していなかっからよいが、土砂に飲まれたあっという間にあの世行きだ、谷の底まで流されれば遺体も見つからないかもしれない。
そして更なる恐怖が落石。
小石がコロンコロンやパラパラと降って来るレベルならヘルメットで防げるが、ここのは違う。
切り立った岸壁から様々な大きさの石が「ガコン、ガコン」と吹っ飛んでくる、高いところから落ちてきた石など、加速度をつけて「ブーン」と低い音で空気を切り裂いて落ちてくるのだからたまらない。
このスピードになると、こぶし大の大きさでも軽くヘルメットを突き破っていくだろう。
だって衝撃でアスファルトをえぐるんだから。こぶし大でこの恐怖、時々小さい冷蔵庫くらいの石が落ちてきて地面にめり込んでいる。
自動車で屋根があれば少しは防御できるかもしれないが、自転車はむき出しなので恐怖感はさらに強い。
しかし車の屋根やガラスでも防げるわけではなく、時々は落石が車の外装やガラスをつき破り中に飛び込んで来るらしい、もちろん人に当たれば大怪我。
そして事実このカラコルムハイウェイでは年間何人もの犠牲者がでてとのことだ。2005年には自転車旅行者が石に直撃されて亡くなったという話を聞いた。2002年にはNHKの取材チームが車ごと転落してスタッフ3人が死亡している。
こんな道を500kmも走って桃源郷に辿り着けるのだろうか。
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