バングラディシュに入ってから日本人の旅行者にはさっぱり会わない。
その代わりこちらで活動をしているNGOや、青年協力隊、研究者の人に良く会った。
バングラディシュにはそれだけ支援の団体が多いということだろう。
思い返すと、NGOを目にしたのは、カンボジアや、ネパールなど発展途上の小国が多かった。
経済先進国や技術先進国が途上国に協力するのはとても重要なことだ。また国ではなく、個人の意志でそういった活動をしている人もいる。
こういった人には本当に頭が下がる。
本日は縁あって、関西の主婦が主なメンバーだという「エンゼル協会」というNPOを見学させてもらえることになった。
「エンゼル協会」は1994年に関西の主婦により、発足し、その活動が現在までも続いてる。
首都ダッカの北、約30kmのガジプルという町に施設があるというので、自転車を漕いで向かう。
簡単な紙に書いた地図だったので、辿り着けるか少々不安だった。
しかし有名な施設らしく、地元の人に聞くとすぐに教えてもらえ無事に到着。
思ったより立派な施設で敷地も広い。今日はアポイントを取っていたので、在住で活動されているメンバーの方が施設を案内してくれた。
この施設、敷地は全て協会の援助で立てられ、施設には、職業訓練所、図書館、農業施設、医療施設、孤児院まであるそうだ。
敷地内はとても整備されていて、何よりゴミが落ちていないので綺麗に感じた。ゴミをゴミ箱に入れるというのは日本では当たり前であるが、インド、バングラディシュはゴミを路上に捨てる習慣がある。
ゴミを捨てないとか、タンをはかないとかそういった道徳教育もしているらしい。個人的には重要な教育だと思う。
全部を施設をざっと見せてもらった、女性のための自立支援の教室で、サリーを身に着けた女性が真剣にミシンの操作を覚えていたり、コンピュータに向かっていた。その真剣なまなざしが印象深い。
孤児院があるので「手品」をしてくれないかと言われていた。施設見学の後に会場に案内されたのだが、そこを見て驚いた。
100人以上が席について待っていたのだ。
「げっ、ここか!」
なんとステージまである大ホールだった。
私の手品は路上の至近距離向き、そんな大勢の前でやるものではない。
しかしせっかく楽しみに待ってくれているので、ステージの上で演じることにした。
やっぱり後ろの方は見えなかったのか反応はイマイチ。
その後協会の方からもお礼の出し物があるというので最前列のど真ん中の席で鑑賞させてもらった。
子供達の演じる、バングラディシュの伝統的な踊りと、孤児院の子供達の合唱だった。
よく練習しているのだろうとても上手だった。ありがとう。
施設の方にお礼を言い、協会を後にした。
途中、レンガの山でレンガをひたすら砕く作業をする少年の側を通る。
バングラディシュの現状は厳しい、施設に入れる子はまだまだ少ない、今日訪れた様な施設が増え、少なくとも少年達が労働せずに学べる社会になって欲しいと願う。
<関連リンク>
病院と孤児院で手品
L-CDI
小学校で手品
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