今日もいつものように自転車をとめて
手品をしていた。今日もいつものように
人が集まり、コインをいくらかもらう。
![芸をしていくらかの投げ銭をもらう](https://feel-the-earth.com/keinoryokouki/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
人垣の後ろの方からムスリム(イスラム教徒)のオヤジが
覗き込んでいた。手品が一通り終わっても
そのオヤジはまだ残っている。
「???」と思っていると
「なぜこんなことをしているのか?」とオヤジが尋ねてくる。
こんなことはよくあった、興味深いインドの人が
「どこからきた、どこにいく、何人だ?」と質問攻めに
されることもよくある。
![興味深々のインドの人に質問攻めにあうのはよくある](https://feel-the-earth.com/keinoryokouki/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
別に今日のムスリムのオヤジも別段珍しくもなかった。
これこれこういうわけでネパールを目指している。
「お金はないが、手品をしながら食いつないで進んでいる」
という話をする。
オヤジはやたらに納得したらしく、
「こっちにこい」
と手招きする。オヤジの家は道をはさんですぐに
向かいだった。案内されるままに入り口の椅子に
腰掛ける。するとオヤジは銀色の器からグラスに
水をついでくれて、差し出した。もちろんインドの生水。
別に冷えているわけでも何でもない水だったが
相当に暑い日だったのでとてもうまく感じた。
![イスラム教徒は独特の帽子をかぶっている](https://feel-the-earth.com/keinoryokouki/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
そしてオヤジは50ルピー札を取り出し、
「これをもっていけ」
という、50ルピーは日本円で120円くらいだが、
インドでは5000円くらいの価値がある。
このときの私の所持金は10ルピーちょっと。
これが日本ならばというか日本人だったら
「いや、せっかくですが・・・」
と一度は遠慮するのだが、
「遠慮」をインドでやると、本気にされてしまうことがあった。
・・・ので「ありがとう」と素直に受け取る。
うまく使えばこれで3日は食いつなげる。
本当にありがとう。本当にありがたいとそう思える。
これでまた先に進ませてもらう。
ありがとうございます。
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カニャクマリ
旅は再びはじまった
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