ムスリムのオヤジ

今日もいつものように自転車をとめて

手品をしていた。今日もいつものように

人が集まり、コインをいくらかもらう。

芸をしていくらかの投げ銭をもらう
【写真】芸をしていくらかの投げ銭をもらう

人垣の後ろの方からムスリム(イスラム教徒)のオヤジが

覗き込んでいた。手品が一通り終わっても

そのオヤジはまだ残っている。

???」と思っていると

なぜこんなことをしているのか?」とオヤジが尋ねてくる。

こんなことはよくあった、興味深いインドの人が

どこからきた、どこにいく、何人だ?」と質問攻めに

されることもよくある。

興味深々のインドの人に質問攻めにあうのはよくある
【写真】興味深々のインドの人に質問攻めにあうのはよくある

別に今日のムスリムのオヤジも別段珍しくもなかった。

これこれこういうわけでネパールを目指している。

お金はないが、手品をしながら食いつないで進んでいる

という話をする。

オヤジはやたらに納得したらしく、

こっちにこい

と手招きする。オヤジの家は道をはさんですぐに

向かいだった。案内されるままに入り口の椅子に

腰掛ける。するとオヤジは銀色の器からグラスに

水をついでくれて、差し出した。もちろんインドの生水。

別に冷えているわけでも何でもない水だったが

相当に暑い日だったのでとてもうまく感じた。

イスラム教徒は独特の帽子をかぶっている
【写真】イスラム教徒は独特の帽子をかぶっている

そしてオヤジは50ルピー札を取り出し、

これをもっていけ

という、50ルピーは日本円で120円くらいだが、

インドでは5000円くらいの価値がある。

このときの私の所持金は10ルピーちょっと。

これが日本ならばというか日本人だったら

いや、せっかくですが・・・

と一度は遠慮するのだが、

「遠慮」をインドでやると、本気にされてしまうことがあった。

・・・ので「ありがとう」と素直に受け取る。

うまく使えばこれで3日は食いつなげる。

本当にありがとう。本当にありがたいとそう思える。

これでまた先に進ませてもらう。

ありがとうございます。

<関連リンク>
カニャクマリ
旅は再びはじまった
芸は身を助く
ツイッターで更新、最新情報をつぶやいています。

イスラム教徒は独特の帽子をかぶっている
最新情報をチェックしよう!

05インド・ネパール編の最新記事8件