入院

「入院」と言っても私ではありません、「近江さん」です。

今日はベットがズラリと並んでいるガランとした大部屋にタケシ君と二人で寝ることになった。

近江さんが入院し、誰もいない病院の二階で寝ることになった
【写真】近江さんが入院し、誰もいない病院の二階で寝ることになった

ここはつぶれた病院ではないので人はいるのだが、病棟は一階だけを使用し、二階はただベットが置かれているだけで人の出入りはない。

ベットは使われなくなってから長いらしく、ホコリが積もり、廃墟の様だ。マットに浮き出たシミが血に見えないこともない。

昼間はそうでもなかったが、夜になり辺りがシーンと静まりかえる何とも言えない雰囲気になる。タケシ君は

恐い話し絶対にしないでくださいよ

と真顔で言う、そう言われると「こわい話」をしたくなるのだが、彼があまりに「やめてください」と泣きそうに言うので、少し悪い気がするのでやめた。さっきから雰囲気だけで背筋が何度もゾクッとしていた。怖いですね、ひとけのない病院。

実際横になってみると害になるのは幽霊よりも、蚊だった。

夜中に何度が虫除けスプレーを塗りまくり、朝が来た。

下階に向かう、近江さんはめずらしくまだ寝ていて、腕には点滴のホースが付いたままだった。昨日、お店で借りたコップを返しに行き、戻ると近江さんは起きている

体調はどうですか?

と聞いてみる。

一日入院となった近江さん
【写真】一日入院となった近江さん

「悪くない」とのこと周りには既に看護婦さん達もいた。どうやら症状が落ち着いてきたようだ。

さすがに入院までしたので近江さんは自転車旅行を中止するかと思ったのだが「続行する」と言う。

いやいや、無理ですよ」と抑止するも、近江さんの意志を尊重したい。

私達は自転車、近江さんは他の乗り物で移動するということで折り合いが付いた。

近江さんはオートリキシャで進む
【写真】近江さんはオートリキシャで進む

近江さんは次の街で落ち合う約束をして、タケシ君と出発することになった。近江さんの荷物を積んでいない分荷物が軽く感じた。

そして出発、川沿いでナイスな道だった。タケシ君と10kmごとに待ち合わせをする。下りが多く楽である。20km進んだところで、昼飯となる。サブジー(野菜カレー)10、チャパティ2。

食後に休んでいると、驚いたことに近江さんが現れた。タクシーで次の街に向かう途中に私たちを見かけて降りて来たのだそうだ。見た目は体調は良さそうだ。

そして上り坂が始まった。長い、暑いし、もう大変。先に上り切ったタケシ君が頂上で待っていてくれた。

10kmの分岐の町までやたらにかかった、下りかと思ったがそんなことはなく、緩やかな上り、下りが続いていた。

分岐の町、そこから下りのはずだったのだが、全然そんなことはなく、またも下り上り、下り上り、もう暑いし、どうしようもない。

次の町の名前は「パリ」でフランスっぽい町だったが別にそんなことはどうでもよかった。やっぱり上りがあり「パリ」の町についた名前とは全く関係なく「インド」だった。

次の街の名はPALIであった
【写真】次の街の名はPALIであった

日本では寒くてコートが必要な季節だというのに、ここでは日射病になりそうだ。

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