バングラディシュの孤児院でもらった、「ロクシカタ」と呼ばれる独特の 刺繍の入った財布、それをひっくり返しありったけのお金を出した、
銀色のコインが数枚。それが全財産。
それを、私の方を見て右手の手の平をこちらに差し出している少女に手渡した。
少女はそれを受け取ると、「もっと」とせがむ様な仕草をする。
それでは少ないのだろうか?
しかし、彼女に渡したお金は正真正銘私の全財産だ。
財布をひっくり返しても、もう一銭も出て来ない。
「もうない無いよ・・・」
身振り手振りで伝えると彼女はその意味が分かったらしく、しぶしぶと私の前を去っていく。
持ち金は完全に0円になった・・いや、インドだから0ルピー。
トラベラーズチェックもなければ
もちろんキャッシュカードなども持っていない。
正真正銘の「所持金0円」
インドのコモリン岬はインド最南端にあり、ヒンズー教の聖地、「カニャクマリ」として知られている。
実際、「コモリン岬」という呼び名よりも
「カニャクマリ」の名前の方がインドでは一般的だ。断崖絶壁の岬ではなく、砂浜がなだらかに海面に続いている・・・なので
「海抜は0m」
「ここから・・・」と海面の水に触れた、
外気はムッとする程暑いが、海水はヒヤリとする程冷たい。
タイのキットブットさんにもらった、「ママチャリ」にまたがる。
燃料は無い、使うのは人力のみだ。
「燃料ゼロ」
この地球、この陸上で最も高い所、 小学校の社会の時間で習うまでもなく、いつしか知っていた
「エベレスト」
という山。海抜8848m。 何もねぇ、ただそこを目指すだけだ。
旅は再びはじまった。
<関連リンク>
インドで0円
ママチャリ
命の水
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