ビランプールに着いたことによりエベレストの山頂から始まった0mに戻る旅も終焉を迎えた。
海から8848mを目指し、今度は0mに戻ってきたのだ。
ヒマラヤに降り積もった雪が太陽に溶かされて雫となり、小川になり川になりそして大河になる。
そして大河はゆったりと海に流れこんでいる。この旅行を通じて水の旅を嫌というほど体感できた。
船、水の上の不自由さ、流れの力、速さ、荒々しさ、そしてその全ておも逆流させる力が存在すること。
エベレストの登山でも感じたが、自然というのは到底人間の力の及ばないところにあるというのを思い知らる。偉大な自然の中で人々は協力し合い、逞しく生き抜いていた。
海に流れ着いた水はここからまた空に上り、風に流されてあの8000mの峰々に降り積もる雪になるのかもしれない。
ここの潮風に吹かれながら、ヒマラヤの岩と雪と氷の荒涼とした世界を思いうかべた。
自然は偉大なサイクルを刻んでいる。
私は船に分解して乗せてあった自転車を組み立てる。
沈没したり、長い間船底に眠っていたのに錆付いたりしていない様子。
私はこの旅行のテーマだった、0mに戻ってきたので、手持ちのお金もゼロにする。
ゼロにするといってももう10ルピーほどしかなかったので最後にビスケットを買い、これでゼロになった。またここから新たな旅が始まる、路上で芸をしながらゆっくり進めばいい。
次の目的地はユーラシア大陸の果てだ。
<関連リンク>
旅は再びはじまった
0(ゼロ)に戻る旅
大河の終わり
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