タイトルに「甘い話」とありますが、ラブロマンスの甘い話ではありません。
今回はこの日記始まって以来の甘いお菓子の話です。
今まで余裕が無かったので書けませんでした。余裕ができたのですか?と言われそうですが、そうではなくネタが無かったのでつい。
クロアチアのデザートを美味しい!と思ったのは忘れもしない5年前クロアチアの南部を通過した時のこと。休憩のために立ち寄ったパン屋に並べられていた立方体のケーキを注文した。
パン屋のお姉さんは笑顔でその立方体のケーキをお皿に載せて、その横にフォークを付けてくれた。テラスに出て「これおいしいのかな?」とフォークでつまみ、口に入れる。「ぐおぉぉぉ!何これ!美味すぎる」
あまり期待していなかったのだが、そのほっぺたが落ちそうになる味に衝撃を受けた。立方体の上部はサクサクのパイ生地で、その下はカスタードクリームと生クリームの層になっている。シュークリームに似ているが、シュークリームの外皮とは違う、これはパイの生地でサクサクフワフワだ。思わずもう一つ食べてしまった。
これが5年前の話。
時は経ち次この立方体のお菓子に巡り会ったのはイタリア最西端の町トリエステでのことだ。スーパーの生菓子コーナーに何気なく目をやると、奴がいるではないか!あれだ、名前は知らぬが、蘇る遠い日の甘い記憶!
即購入。
今回も間違いなくおいしかった。今までイタリアで見かけたことは無かったが、こんなところで出会うとは。
どうやらクロアチアに近づくと彼女を見かけるようだ。そしてクロアチアに入ると、いつでもパン屋で会えるようになった。
しかし私はまだ彼女の名前も知らない、そこで今回は勇気を出してパン屋の赤髪の女性に尋ねた。「これの名前は?」と優しくゆっくり英語で訊ねると、えらい早口で勢いのあるクロアチア語で返事が返って来た。
「へっ??」
何度聞いても聞き取れない。聞き取れないので写真を取らせてもらった。
プレートには「Krempita」と書かれている。早速ネットでグーグル先生に尋ねると「クリムピタ」と言ってバルカン半島、主に旧ユーゴスラビアでは有名なデザートだという。そうか名はクリムピタと申すのか。
無事に名前も素性も分かったので私は彼女のことをもう忘れはしないだろう。愛しのクリムピタ。