今日はパキスタン大使館に行くために早起きをする。
パキスタン大使館の営業は8時半と書かれていたが、昨日見た状況ではその前に行かないとかなり列の後方になってしまうに違いない。
「開始時間より早めに」
これは今までのビザ取得で学んだことである。これをしなかったために列の途中で閉館時間になり、また大使館に足を運ばねばならないことが何度もあった。
チャンドラさんの家から大使館までおよそ15kmくらい、だから7時にここを出ればなんとかなるだろう。
朝、6時半に起きて準備をする、いざ外に出ようとしたら玄関に鍵がかかっていて、家の中はシーンとしている。鍵は内側からでも鍵がないと開かないタイプなのだ。シーンと静まりかえった家の中で何度か
「ナマステ」
「グットモーニング」
とささやくように言い続けると、お母さんが起きていたのか、起きてくれたのか来てくれ外に出られる。
朝の道は空いていて、空気も冷たく気持ちよい。とりあえずインド門を目指し進む。空いている道のおかげですんなりインド門に着いた。そこから大統領官邸の前を通り、さらに西へと道を進む。
デリーの道は植民地時代の名残か、イギリスの影響か、放射線状に走っていて、サークルのような交差点が沢山ある。何度か道を尋ねながら、昨日のパキスタン大使館に無事に到着した。
受付はすでに人々で溢れかえっている、列に並んでいる人はどうもここで寝泊りしているようだ。
後にチャンドラさんに尋ねると、インドの遠方からきた人たちがビザが出るまで大使館の前で寝泊りして待つらしい。
5番と書かれた受付の前が外国人用のビザ窓口であり、そこにも既に列ができている。
8時半にオープンするはずの窓口は時間になっても全く開く気配を見せず、9時過ぎにようやく業務が開始された。
まずはフォームを受け取り、それに記入し再び列に並ぶる。一応滞在は2ヶ月と書いたが実際ビザが出来るまでは、その日にちが反映されるか不明だ。列に並んだフランス人が地べたに向かってフォームに記入している姿を見て
「すっかりインド化しているな」と面白い。
何とか書類を提出する所まで来て、やっと番になって受付に出すと
「不備がある」
とつっかえされる。
「げっ!」
また列に並ぶことを考えると恐ろしいので窓口の脇で「ささっ」と書いて窓口に滑り込ませた。書類は受け取られ、デスクの脇にあるある白紙片にパスポート番号と名前を書かれ「明日の4時30分に」と言われた。
とりあえず書類は受け取ってもらえたのでビザは貰えるだろう。
まだ昼前だったので、イラン大使館にも行くことにした。
地図を見ながらだったのに、一度通り過ぎてしまい、また来た道を戻ったりした。イラン大使館はやたらに豪華で、外にむき出しのパキスタン大使館と比べてその違いに驚いた。
豪華な造りで、テレビが置いてあり各テーブルにティシュがあり、紅茶が自由に飲める装置があった、そんなものは日本大使館にもなかった。
今まで見た大使館で一番リッチな感じの大使館である。インド人で溢れかえっていたパキスタン大使館に比べ、ここはポツリポツリと人がいるだけで、インド人と列を争う必要もない。
「ビザは取れますか?」
と受付のおじさんに尋ねると
「レターがあれば取れるよ」
との返事が帰ってきた。レターとは日本大使館で発行しているビザ請求のレターだ。しかしパスポートは先ほどパキスタン大使館に提出してしまった、まずパスポートを受け取り。それからレターを取りにまた日本大使館に行かねばならない。そしてビザの申請か、なんだか手続きがややこしい。
ビザ取得までの道のりは長い。
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